明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2024.3.8

ドラゴンボールから得た少年時代の輝きは、一生の宝物です。

2024年3月8日時点での私、33歳は、就学した頃にはオリジナルストーリーのテレビシリーズ『ドラゴンボールGT』の放送すら終わっており、まさにドラゴンボール狭間の世代だったと思います。私のドラゴンボールとの出会いはアニメでした。小学校低学年の頃、平日の夕方4時に再放送を偶然見たのが最初でした。天下一武道会天津飯と対決するあたりで、その戦闘シーンのかっこよさ、魅力的なキャラクターの数々に一気に心を奪われ、公園で友達の青木くんと真似ながら闘いごっこをしていたことをよく覚えています。

すっかりドラゴンボールの魅力に取り憑かれた私でしたが、当時、テレビシリーズはVHSすら発売されておらず、当然インターネットもないので、その再放送のブラウン管の前だけがドラゴンボールの世界と繋がる唯一の手段でした。そしてその再放送も、『ドラゴンボールZ』に繋がることなく、マジュニアを倒したところで終わってしまいます。悲しみにくれた私は、近所の児童会館に単行本があったことを思い出し、行ってみるも、なぜか19巻と24巻しかなく、仕方なく全然話の繋がらないストーリーを何度も何度も同じ巻を繰り返し読みました。さすがに、全てを読まないと気が済まなくなった私は悶々とした日々を過ごしました。

そんなある日、5歳離れた兄に漫画喫茶に連れて行ってもらうチャンスが到来します。地元にあった、やけに広くて殺風景な漫画喫茶に並ぶドラゴンボール42冊を前に目を輝かせました。それと、お昼に注文したエビピラフの味は今でも覚えています。しかし、3時間程度で読み終えることは当然不可能で、またいつ連れて行ってもらえるか分からない次の機会まで待つことはできませんでした。当時、お小遣いは十分にもらっていましたが、堅実な性格だった私はあまり手を付けずにいたので、単行本を自分で買い揃える決心をしました。一気に買うことはできませんでしたが、例えば出かけて本屋さんに寄ったときは一冊買うなど、少しずつ、世界に散らばる玉を集めるように揃えていきました。本棚に並べると背表紙の絵が繋がっていくワクワク感は、一気にそろえる大人買いでは絶対に得られないものでした。母親も協力的で、何巻まで買ったかを把握して、どこかへ出かけた時のお土産として、単行本を買ってきてくれたりもしました。単行本を買い揃え、何周も繰り返し読んでいた小学6の頃、母親のファインプレーで我が家にスカパーが導入されました。ちょうどその頃、アニメのDVD BOXが10万円で発売するという時期で、お年玉の貯金を使って買おうか真剣に検討していたころでしたので、スカパーのパンフレットでanimaxというチャンネルのタイムテーブルに見つけた『ドラゴンボール』の文字と、筋斗雲に乗る悟空の姿に、私の胸は踊りました。ついに!アニメに辿りついた!スカパー加入後はすべての録画を欠かさず行い(母親の大いなる強力な支援のもと)、中学を卒業するころには、アニメシリーズ全話をDVDに収録することができました。中学生になっても、ドラゴンボールへの熱は冷めることはなく、むしろ増していくばかりでした。行く先々のブックオフで昔の映画のカラーコミックを探したり、中古のおもちゃを買ったり、PARCOに入っていたホビーショップでフランスから輸入した変な顔のミニフィギュアを集めたりしました。2024年現在、テレビシリーズの新作も控え、街には当たり前にグッズが並び、インターネットさえあればすぐに情報を得られます。今の子どもには信じられないかもしれませんが、原作終了に近い20年前の私の少年時代の方が、圧倒的に作品に触れる機会が少なかったのです。連載もアニメ放送もなく、たまにPSで新作ゲームが出る程度でした。そのほかは前述のとおり、古い当時の物を探すくらいでした。それが悔しくもあり、宝探しをしているようで楽しくもありました。超メインカルチャーである同作が、あの数年は間違いなくサブカル的な存在だったのです。思春期の私はやがて、ドラゴンボールは少し子どもっぽいと思われてしまうように感じ、周囲に自分がマニアであることは隠すようになりました。そのかわり、家でインターネットができるようになり、ファンサイトをよく巡回しました。「DRAGONBALL MANIA」というサイト、今調べてみると、当時の空気を残しながらしっかりと生きていました。これぞインターネットだ!嬉しい。同人小説や、掲示板、チャットというものもそこで初めて出会いました。ドラゴンボールはいつも私に新しい世界を見せてくれました。成人して、社会に出るころには、すっかりドラゴンボールから離れていました。新作映画はサブスクの配信が始まれば観てみる程度で、そのほかは全くついていけなくなってしまいました。それでも、令和生まれの小さな子どもが、かめはめ波を真似られることに感動します。ずっと面白いもの、かっこいいものとして続いていくこと、作り上げていくことに畏敬の念に打たれます。ドラゴンボール全42巻は、実家から持ってきた、私が少年時代にそろえた唯一の漫画です。いつか、子どもができたらそっと子ども部屋に並べておきたいと思っています。それを手に取ったとき、あの圧倒的なワクワクを感じてくれるでしょうか。再放送を見た時のように出会いをなってくれるといいな。

 

子ども時代の全てにドラゴンボールが側にありました。本当にありがとうございました。


今日、2024年3月8日の昼に鳥山明先生の訃報に触れ、ドラゴンボールと共に過ごしてきた子ども時代を思い出してしまいました。私は、間違いなく鳥山明先生とさくらももこ先生の作品で育ち、二人ともいなくなってしまったなと思います。二人の作品から受けた死生観は、こんな時ほど、心に留めておきたいです。


コジコジ
“体が死んでもたましいは生きてるよ ブヒブヒもスージーもまたいつか会えるのに 次郎君そんな事も知らなかったの?”


孫悟空
“殺されたみんなや破壊された地上はドラゴンボールでもとにもどれるんだ気にすんな”

2024.1.19

ふと2年前に自分が書いた日記を読み返すと、きちんとしんどくなってしまった。書いた当時はそこまで自覚はなかったかもしれないが、今読むとウッとなってしまうものが多い。それだけ今が安定しているからなのか。今だって悩みがないわけではない。仕事も楽しくないし、そもそも社会生活が苦手だ。役職を得るための試験を受けたが見事に不合格で、まだ来年の受験へのモチベーションが上がってこない。この試験さえなければなんとなく日常で抱えているストレスの5割くらいは消え去る気がする。ただ、落ち続けると、この気持ちとずっと付き合っていくことになるので、なんとかしゃかりきに頑張らねばなるまい。家庭のことでは、去年の春から不妊治療を始めたが、それは年末から一時中断している。全く出口の見えない辛い妊活に心が折れそうになったことが何度もあった。今年の春から再開予定ではあるが、うまくいくのか不安ばかりだ。それなのに、子どもは持ちたいという気持ちはどんどん増すばかりだ。親に注がれた愛情を、妻と子に注いで生きていきたい。親になってみたい。妻と子育てをしてかけがえのない時間を共有したいし、人間として一緒に成長してきたい。しかしこればかりは自分より妻が圧倒的に過重になってしまうことを思うと、無責任にこのまま継続しようと一方的に言うことはできない。もちろん治療にかかる経済的な不安もある。でも、きっとうまくいくと信じてる。

話は戻り、2〜3年前よりは圧倒的に精神状態が良い気がする。過去の日記を読んでも、こう書いているけどこの時こんな不安があったなとか、常に大きな影が見えてしまう。生きていくのはそれだけ大変だけど、その度に向き合ったり適度に逃げたりしながらなんとかやってきたんだなと実感する。一緒に歩んできてくれた妻にはたくさん感謝している。人間、不安や悩みがない時期があっても良い気がする。自分以外の人はどうなのだろうか。特段今はないかな〜という人はぜひそれがどんな心境なのか教えてもらいたい。なんだか急に漠然と振り返ったりして遺書のようになってしまったけど、妻が誕生日に振る舞ってくれるという豪華な生ちらし寿司も腹いっぱい食べるのがめちゃくちゃ楽しみだ。

毎朝よるカフェでいつものようにコーヒーを頼むと、初めてカップに「Have a good day!」という文字と雪だるまが描かれていた。

2023.11–2024.1

11.30

気づけばもう年末と言える時期になってしまった。おれが住む町は雪が降って路面が凍り、腰痛持ちにとってはとても辛い季節だ。それでも家族そろって食卓を囲い、平和にトランプをして過ごす年末年始が大好きで、気持ちはもうそこへ向かっている。「大晦日とか正月って人生の通信簿みたいだと思うことがある」と、最近観た映画『正欲』の登場人物は話したが、それでいうとおれはオール5に近いのかもしれない。幸せなことです。

最近のおれだったら、だいたい家の本棚をどうリニューアルするかということを考えている。読みたい本、いつか出会えるかもしれない君に読んでほしい本、本に見向きもしない妻にも関心をもってもらえるかなと期待する本、我が家の踊り場にある全長4メートルほどの本棚にはそういう思いが詰まっている。ふと妻に、子供のころに読んで印象に残っている本はあるかと聞くと、おれの知らない絵本を教えてくれて、それがなんだか新鮮で嬉しかった。それから、人が大切にしている本や、思い出になっている本をこの棚に積めこめないかと、Twitter で「誰かの人生の1冊をそろえた箱を作りたいので、あなたの人生の1冊を教えてください」と募ると 50人近い方から、大事な1冊を教えてもらえた。また、その募集のツイートを見た人が、「誰かの人生の1冊を並べる棚を作れること、その棚を眺めることができることって、本棚好きにとっての人生の到達点なのでは」と、絶賛ツイートをしてくれていて嬉しかった。その人の一冊は司馬遼太郎の「燃えよ剣」だそう。今まで全く触れてこなかった歴史小説が我が家に並ぶことになりそう。久々に良いSNSの使い方ができたと思う。インターネット上でつながっている趣味が近い人たち、日頃、現実世界で毎日会っている人より大切に思えるな。みなさんの多種多様な人生の1冊はすべてオンラインで買える古本で安価にそろえることにした。年末、新しい棚を作る楽しみができた。これは夢の一つだが、いつか本屋の棚のオーナーになってみたい。書店員とか、本屋を開くとかはきっともう難しいので、本屋に自分の棚を作って、お客さんに見てもらい、買ってもらって売り上げを寄付するなり、そういうことをしてみたい。自分の選書が誰かの人生の1冊になるかもしれないと思うとわくわくする。本の話が続きますが、ブックサンタという寄付に参加した。様々な事情でクリスマスを祝えない子どもに本を選び、サンタが届けるという寄付の取組だ。よく分からない寄付はしない主義だけど、これについてはすごく素敵な取り組みだと思うので、うきうきで楽しく参加できました。見知らぬ子どもが喜んでいる顔を想像すると頼しいし、楽しんで善い行いをしているということで少しでも自分を認められることも寄付の醍醐味ではないだろうか。それでいいと思う。子ども時代のクリスマスは、楽しい思い出であってほしい。

12.28

気付けばブログを更新しないまま、本当の年末になってしまった。夫婦2人とも今日が仕事納めなので、妻が朝からわかりやすく上機嫌でよい。おれは腰が痛すぎて朝の支度に時間がかかり、秋から毎朝通っていたカフェに行けなかった。仕方ないので、ゆっくり選んでお昼ご飯を買おうとコンビニに寄るも、食べたいものが特に見つからず、タンパク質が摂れると書いてある野菜が少ないサラダと、見える部分しか具材が入っていなさそうなサンドイッチを買った。885円。これが2023年だ。職場に着いて、昨日の夜までは「年内に終わらせよう!」と意気込んでいたTODOリストを見て「別に年明けでもいっか」などと思い、中途半端に進めたあたり、おれらしさがよく出ています。

今年は、祖母の逝去から始まり、大変な部署への人事異動、大事な試験で砕け散ったことなど、色々あったし、続いている問題もあるけど、去年より平和に過ごせたと思っている。良い一年だったとは言えないし、真にそんなことを思えた年なんて大人になってからあった記憶はないけど、それに近い感覚はある。人生のターニングポイントも多いお年頃と認識しているので、様々な変化にも柔軟に対応していかないとならない。そして、引き続き自分のペースを守って穏やかに暮らしたい。

1年間気まぐれにメモしていた、良かったものまとめ

上半期

THE FIRST SLAM DUNK
非常宣言
WBC準決勝・決勝
あののANN0初回
ひらやすみ5巻
まつもtoなかい 初回放送(ゲスト香取慎吾)
「アニソンでしょでしょ」で歌った鈴木愛理の「アイドル」YOASOBIカバー

OCHA NORMA「ちょっと情緒不安定?…夏」MV
https://youtu.be/lGSzO91F2CQ

空気階段の踊り場#323 アフタートーク 18歳のパン屋さんからのメール


下半期

ゴトウユキコ短編集『天国』
Netflix『LIGHT HOUSE』
いちばんすきな花
背筋『近畿地方のある場所について』
三本阪奈『マイペースと歩く』
空気階段鈴木もぐらの復讐シリーズ
Netflix『LUPIN』シリーズ3
水曜日のダウンタウン「バラエティに出たことのない新人タレントならスタジオ展開が一言一句台本通りでも信じちゃう説」

 

2024.1.3

年末にヘルニアが悪化して、思っていた活動ができないまま大晦日を迎えてしまった。両親と兄がうちにきていて平和に酒を飲んで遊んで過ごしていたけど、元日の夕方にはテレビをみてもネットをみても凄惨な報せが飛び込んでくる状況になってしまった。こんなことは生まれた初めてだ。ただ、安全圏にいる自分たちにすぐにできることはないので、タイムシフトマシンで大晦日まで時間を戻して、紅白をもう一周みた。出演者の構成に大きな変化があった今回は視聴率が過去最低だったという。まあ視聴率なんてそんなものだし、一般視聴者が気にしてああだこうだ言うものでもない。やっぱり毎年紅白は楽しい。白組のトリが醜悪なのでそれはどうにかしてほしいけれども。

今年はなるべくブログを書きたい。と思っているけどきっと書けない。

あと、今年はもっとたくさん写真を撮りたい。年末にiPhone15proを買ったのでそれでどんどん撮りたい。人と会った時もなるべく写真を撮りたい。恥ずかしいけど、そういう写真は絶対に数年後もっと煌めくはずなので。

 

2022.6 京都

絶望もしばらく抱いてやればふと弱みを見せるその時に刺せ

木下龍也「あなたのための短歌集」より

刺せるタイミングを探していきたいと思うけど、まあそんなに気安く絶望しちゃいけないとも思っております。先月行った久しぶりの旅行がすごく楽しかった。それは今でも心から言える。妻が妙心寺で「昔はこういうお寺とかに興味をもてなかったけど、凄く良い。親に精神的に豊かに暮らせてよかったねと言われたけどそういうことを感じてるのかな」と言い、「ちょっと泣きそう」と続けたこと、嬉しくてきっとずっと忘れないです。行きたかった龍安寺も快晴で、この日はずっと楽しかったな。その日の気分で予定変更してたくさん歩いて、もっと京都らしい体験したいねとなり、和菓子作り(結局やめたけど)や写経をやりたいとなったことなど、旅行中のどの時よりもぐっときたかもしれないな。

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旅行中一日は2人別行動をして、おれは本屋巡りをしました。

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恵文社でかなりのんびり過ごして帰ろうとしたら、急に激しい雨に見舞われて店先の屋根の下のベンチに避難した。ほどなくして通行中のおばあちゃんが急いで隣に座ってきて、しばらく2人で雨が止むのを待った。知らない町の本屋の店先で、ただぼんやり知らないおばあちゃんと雨上がりを待つなんて、なんか映画みたいで良いななどと少しうっとりした。

雨が少し弱まったタイミングで走って駅に向かった。その後、知らない町だから距離感がわからず、地図を見て「これくらいなら歩けるか」を幾度となく繰り返しているうちにかなりの距離を歩いたと思う。途中で寄った和菓子屋さんで出してくれた試食のフルーツ羊羹と冷たいお茶に救われた。

 

2023.9.18 カネコの記録

2023.9.18

@モエレ沼公園ガラスのピラミッド

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犬の柄のワンピース

ヤザワみたいにさんかくに開く口

なんの柄かよく分からない腕のタトゥー

蒸し暑さで、キリンジ『3』のジャケットみたいにテカテカになっていく客とカネコさん

左腕に緑のペンでセットリストをメモする女の子

『恋しい日々』でメガネをはずして号泣するお兄さん

目が合うと恥ずかしいからとカネコさんの顔をあまり見られなかったという妻

2023.6.18-19 愛の異常者

妻がお友達と2泊3日の韓国旅行に発った。前日の深夜3時近くまで一緒に起きて準備を見守っていた(ほとんど寝てるかYouTubeでお笑いをみていた)けど、寝て起きてもちゃんとバタバタしていた。でも寝る前にできる支度をしていて偉い。おれは妻に勧められて予約していた小顔矯正サロンに向かった。小顔になりたいというか、顔のむくみと張りが気になって、初回のお試し価格なら行ってみようかという気持ちで。施術はよかったけど、次回からはバカ高いので、スタッフさんの回数券の購入の押しを跳ね返して退店した。もともとそういう店にいたこともあるので、継続利用客を確保する重要性は分かっているから少し心苦しい。用事はもうこれで終わってしまったのでフラフラしようとすると、なんだか気乗りしない。前はもう少し一人で過ごすのが上手かった気がするし、最近は仕事が忙しいから平日できないことをたくさんやってやろうという気持ちはあるのだけど、いざ一人の時間が手に入るとこうなってしまうの本当に良くないし悔しい。こうなりゃ物欲を満たしてやれ!とビックカメラに入ってこなかった美容家電を眺め始めた。前から気になっていた美顔器、値段がやたらと高いのだけど、ボーナス月ということと「高いサロンの回数券を買うよりこれを継続したほうが…!」というこじつけみたいな気持ちで購入してしまいました。嬉しい。高いけど。嬉しい。

本当は美容室にも行こうと思っていたけど、なんとなく人と頑張って話すことが億劫で足が向かなかったので帰路につくことにした。なんだかやたらと疲れている。夜ご飯も一人で何を食べようとちょっと楽しみにしていたのに、もうきっと家をでたくならないだろうと思いスーパーに寄って、パン屋さんで惣菜パンとサラダとプランを買って帰宅。ちょうどキャンドル・ジュンの記者会見がはじまったのでまんまと見てしまった。前半は騒動とは関係ない彼の活動の話がとにかく続き、ようやく質疑応答が始まった。ここで、お!と思ったのですが、そのスタイルが記者席から質問を投げかけるのではなく、壇上に上がって名前を名乗った上で顔出し徹子の部屋スタイルで行われること。これは本当にあらゆる記者会見に取り入れてほしい画期的なシステムだと感心した。終始報道のあり方を説いてらしたけど、きちんと実践しているところが良かった。会見の感想としては、妻を「たまに精神的におかしくなって変なことしちゃう人」としたうえで、自分をまともな人間として語っていて、ちゃんと策士で怖い人だなと思いました。それでも会見を見る前よりキャンジュンさんの人間的な部分を知ることができて、少し応援したくなったかもしれない。がんばれみんな。

そのあと、リビングで何度も寝て起きてを繰り返してあっという間に17時ころ。このままじゃなんにも楽しくない!と立ち上がるも、結局録り溜めたバラエティを観ながらパンを頬張って即完食。完全に腑抜け状態で床につき、ゴロゴロしながらプライムビデオで『コジコジ 2.5次元舞台』を観た。そして観ながら寝た。

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もうここまで何もできないならせめて良い睡眠をとろうと、フットマッサージ機をつかって湿布を貼って、ホットアイマスクを装着してきちんと就寝。

翌朝、あんなに万全の対策をして寝たにも関わらずいびきアプリの数値はひどいもので、半分以上の時間いびきをかいて眠っていた。ちゃんと身体も重い。月曜の憂鬱に妻がいないさみしさが相まって最悪の朝になった。セロトニンが足りません。昨日買ってのこしておいたシナモンロールが美味しかったのがせめてもの救いです。妻にLINEをしたかったけど、短期間の海外旅行をなるべく邪魔したくないので、またお昼にでもしてみようと思って家を出た。

仕事は全然うまくいかず、相変わらず鬱々としていた。本当にびっくりするほど頭が動かない。人に話しかけることすらカフェインを摂取しないとままならない。早く妻に会って日常を取り戻したい。嘘みたいだけど、昨日から完全に、妻を失ってしまった男のテンションで過ごしていて自分でも怖い。怖すぎる。まあ今一番仕事が嫌なうえに月曜で、酒も飲まない、という状態が重なったからということは大いにあるとは思うけど。仕事は溜まってるけど今日じゃなくても良いなと判断してほぼ定時に出た。職場を出たら元気が出てきたので初めていく店で外食しようと決めて、最寄駅近くの焼肉屋さんに入った。全てハーフサイズで注文できて一人に優しくて嬉しい。お肉も美味しくて楽しい。よかった楽しめる。自分に少し安心。うるさいおばさん客3人組にも寛容に楽しめる。

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帰宅して何をしたかはあまり覚えていない。ほぼ何もしていないはずだ。寝る前に妻からLINEがきて歓喜。無事に楽しんでいるようで安心した。おれにお土産を選んでいる時が一番楽しかったと言っていて、そういうリップサービスなんて絶対するタイプじゃないし本心なんだろう。めちゃくちゃ嬉しい。生きていける。というか、2泊いなくなるだけで調子を崩す夫って本当にどうかしている。でも一緒にいたいということは嘘偽りない気持ちです。いたらいたでうるさかったり腹が立つこともあるし、もう絶対に欠かすことができない大きな存在なのです。今回は色々と不調のタイミングが重なってしまったということで、この愛の異常者の情けない事態を大目に見てもらいたい。

 

 

2023.4.22と5.2

4.22

忙しいともっぱら噂の部署への異動内示が出て、「色々これからという時に…」とショックを受けていたけど前向きに頑張っていこうと思えた4月3週目。前の職場の最終日は、情緒もへったくれもなくバタバタとお別れして去り、妻とお食事している最中に寒気を感じて家で検温すると39.4℃の高熱を記録した4月14日。まったく下がる気配のない高熱と、新しい仕事への不安からか毎晩みる悪夢。そもそも初日に出勤できるかということ自体も怪しくなってきた4月16日。物心ついてから初めてみた40.0℃という体温で、「こりゃもうダメ」だと悟った。発熱5日目にして、PCR検査陰性の判定と熱が下がったことが確認できたので、昼から新職場に合流した。一緒に異動してくる人が多い新チームのような職場だったけど、みんな既に忙しそうにしているし、同じスタートと思えない出遅れ感に発汗した。きっと後になればそんなこともあったなと笑えてくるはず。

そんなこんなで、異動後はじめての週末を迎えた。昔たまに行っていた大好きなクレープリーのランチコースを食べに行った。そういえば、異動前まで通っていたコーヒーショップの馴染みの焙煎士さんがもともとそのクレープリーの店員さんだったと知ったときは大きな声を出して驚いたな。

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変わらずガレットもクレープもコーヒーも美味しくて幸福だった。焙煎士さん曰く、フランスのブルターニュ地方では、初めてのクレープリーに入るとコースではなくまずはガレットを食べて、美味しかったらクレープも追加で注文するというのが現地の粋な食べ方だということとか、店員さんがボーダーカットソーを着ることとか色々話してくれたことを思い出した。

店を出て、我慢していたおしっこのためにコンビニに走った。トイレの間に妻ちゃんが、じゃらんのGWドライブ特集号を買っていて、なんだか嬉しかった。ほろ酔いで街中のシネコンに行って『シン・仮面ライダー』を観た。シンシリーズ前作のウルトラマンよりは楽しんで観られた。何よりライダーのデザインがカッコいいのと、初代リスペクトの演出に心奪われました。ただ、一本の映画としてみるとなかなかしんどい内容で、何度か眠気に襲われたな。

その後はキーボードやマウス、文具など、新しい職場で使う備品を自分で調達した。妻も釣られて同じマウスを買っていて面白かった。それにしてもあらためてデバイスコーナーを見ると色んな商品があることに驚かされる。特にマウスの使い心地の良さに感動した。

しっかり時間を使って買い物をしたのでとてもお腹が空いて、結婚前に住んでいた部屋の最寄り駅にある餃子屋さんに行くことにした。地下鉄の出口の番号を忘れていて、適当に外に出たらちゃんと間違っていた。ほんの2年前にはまだ当たり前に住んでいた場所なのに、随分懐かしく感じた。疲れていたけど2人とも興奮気味に辺りをキョロキョロして、あそこは変わってない、あの店はどこだなんて話しながら予約した餃子屋さんに入った。そのやりとりが楽しかったし嬉しかった。思えばたった2年で色んなことがあった。本当に2年か?と疑ってしまうけど、間違いではない。思えば(というか後になって分かったことも多いが)結婚前からおれはたくさん間違っていたし、すれ違っていた。妻を随分傷つけてしまったし、寂しい思いをさせた。だから今日こうして楽しく過ごすことができていることを当たり前とは思わず、特別なことのように感じた。

久々にお酒も飲んで、歩き回って疲れたけど、今日は良い日だった。これからもこうして穏やかに笑って過ごしていたい。

5.2

新職場で何がなんだか分からないまま、大型連休に突入した。職場から最低限一日は年休を取得せよとのお達しがあったので、休める時には休もうと今日休みをとった。

朝、仕事に行く妻と一緒に起きて、たまりにたまった洗濯をした。『空気階段の踊り場』の最新回を聴きながら干したので、苦行ではなかった。最近の踊り場はフリートークの面白さが復活してきている。特に、もぐらが離婚して、皮肉にも、より人間らしさを感じるようになったというところが大きい気がする。カップルはもうサインを求めてくるなという無茶苦茶なお願いに笑った。

妻を見送って、ゴミを出し、庭の水やりをした。それだけでもう素敵な休日という感じがして心が豊かになった気がした。せっかく平日休みなので郵便局などの用事を済ませて、自転車で久しぶりにゲオに行った。家ではもう配信サービスで映画を観ているので、レンタルショップに足を運ぶことはなかなかないのだけど、たまにいくと「これももうレンタルになってる!」と興奮してしまう。そんなレンタルショップも日本全国次々と閉店が相次いでいるようで、TSUTAYAのみならずゲオまでもその波に抗えないようで寂しい限りだ。こういうことをいうと「普段店に行かない閉店の報せにだけ反応して残念がるな!」とツッコミが入ることがよくある(インターネット上で)が、正論はそうかもしれないけど仕方ないじゃないかとも思う。理屈にかなった行動ばかりできないし、なくなってしまうことの悲しみは本物なんだから。

結局この日に借りた映画5本はそのほとんどを観ることなく大型連休を終え、憂鬱な気持ちで出勤する前に返却ポストへガタンと入れた。