明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2019.9.22

3連休をたのしみに、何度も週間予報を見てしまうような生活をしています。たかが3日間職場に行かないという事実がここまで喜ばしいことと思うなんて、10年前の自分が知ったらどれほどガッカリするだろう。隙間からこぼれ落ちないようにするのは苦しくて、しんどいことも多いけど、生活の中にきちんと喜びを見出しがちなのでそれで乗り切っている。多分これからもそうやって続いていくんだろう。週末しか営業しないお菓子屋さんに恋人と一緒に行くために、金曜の夜に最寄りの駅で恋人を一人で待ちました。ほとんど何もない駅だけど、小さいパン屋がある。小腹が空いたのと、土曜の朝に美味しいパンとコーヒーを飲むというのをやりたいので迷いながらいくつか買って、ベンチではクロックムッシュを頬張った。店員さんはいつも感じが良くてとてもありがたい気持ちになる。この少し前、かかりつけの耳鼻科に行ってこの間とったCTの結果を聞いた。蝶形骨洞炎という蓄膿症の一種とのことで、この頃の頭痛の原因が判明した。蝶形骨というのはその名の通り骨の形が蝶に似てることが由来だそうで、かわいいから許すことにした。許すも何もないけど。かわいいといえば耳鼻科の待合室にいた2歳くらいの男の子に、絵本をもったままおれの膝に腰掛けてリラックスしだし始めた時はたまげてしまった。あんなもん好きになってしまうわ。

たまに行く大きめのスーパー銭湯的な温泉に今日は恋人ときた。3連休はもっとキラキラした遊びをすることがこの世の決まりとなっているのか、かつてない空き具合で最高だった。そして風呂上がりに食べる冷麺がめちゃ美味しいし、一口分けた恋人の反応も良かったのでさらに満たされた。風呂以外の時間は持参したKindleで『現代歌人シリーズ』と『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!!』を読んだ。

きみを嫌いな奴はクズだよ 現代歌人シリーズ

その「おこだわり」、俺にもくれよ!!(4) (モーニングコミックス)

ジャンルは全く違えど、日常の美しさとか可笑しさにフォーカスしているものを自然と選んでいるのが最近のおれらしい。おこだわり4巻の、「粗大ゴミの男」にめちゃくちゃ共感した。自治体の粗大ゴミ回収にハマる男の「電話受付のオペレーターが丁寧であることの感動」「ただの口約束で本当に来てくれるのかという不安」「自分が出したゴミが外に一日さらされる羞恥心」「ゴミが無事回収されて無くなっていた時の安堵感」、その全てがこの間シングルベッドの収集を依頼した時に感じたことそっくりそのままだ。おこだわりは回によって当たり外れはあるものの、毎回知らない新しい世界を知ることができて良い。それも、日常のちょっとしたことで感じられる楽しみが多いのが魅力だ。人生って見方ひとつでこんなにワクワクすることで溢れていたんだと感動まで覚える。作者の清野とおる

アピールするようなものは『趣味』です。人から指摘され、引き出されるのが『おこだわり』。漫画のネタにしてくださいという売り込みもたまにありますが、それはおこだわりではありません。

と述べているとおり、おこだわりには何の自己顕示も他者からのプレッシャーもないから気楽で良いんだ。自分のなかで秘めておく、誰にも発表しないし理解されなくて、マウントもとられない、そういう肩の力が抜けた人生の楽しみ方が最高なんだとつくづく思う。紹介されるおこだわりのほとんどが本当に些細なしょうもないこととか、行儀の悪いこと、見方によっては倫理やマナーに反していることもあるかもしれないけど、そういうものって実は人には必ず一つや二つはあると思う。そういう人間の面白さを再確認させられて、人と話して意外なそれを引き出してみるのも面白いかもしれない。

4巻のおこだわり人たち

岩盤浴もガラガラで、一度恋人と2人きりだということに気づいた時にはわかりやすくヘラヘラしてしてしまった。な〜にが「しんどい」だ。行きも帰りも小さな無料バスに乗って、去年まで住んでいた街のイオンで買い物をしてビニール袋をぶら下げて地下鉄で帰った。買い物の時のビニール袋、プラスチックゴミ削減のためにエコバッグを使おうという気持ちはあるのだけど、つい忘れたり袋を欲しがったりしてしまってダメだ。できることは無理なくやっていきたいのだけど自分にやたらと甘い。帰宅してスーパーで買った惣菜などをきれいに盛り付けて食べました。見た目で美味しさ3割増しは間違いないと思う。イオンの割引されたシルキーカットローストビーフは至高です。

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キングオブコント2019をリアルタイムで視聴しました。賞レースを集中して観られるのは久々で、始まる前からむやみやたに胸躍らせてメモの準備などをしていたら、まんまと恋人に馬鹿にされてその様子を写真におさめられる始末でした。一時期と違ってお笑いカルチャーは全然追えていないので、準決勝に進んだ組はほとんど知らなかったゆえにわくわくした。かが屋空気階段ゾフィーは若手実力派ってことで知ってはいたので決勝に上がってきて興奮しました。その全組の結果は残念だったけど、美しかった。コントは笑いのみならず恐怖、驚き、人間の寂しさ情けなさみたいな、色んな要素が混ざり合っているから面白くて、その分設定も難しいんだけど今年は全組レベルが高かったので「なんだこれ」というネタは一つもなかった。優勝したどぶろっくは唯一ともいえる「単純でわかりやすい大爆発ネタ」に批判的な意見が多いみたいだけど、彼らはただ小学生みたいな低俗な下ネタだけで笑わせたのではなくて、導入部分での設定説明を、わざらしくなくミュージカル調(上手いのもポイント)で表現したのちに、あのバカバカしいキラーワードを持ってくるという丁寧な流れがあってこそだったと思います。史上最高得点に相応しいくらい腹抱えて笑って、「ああ、お笑いはやっぱりこれがいいや」と思えた。そして、下ネタはあまり好まれないながらも自分たちのスタイルを貫いて結果を残したことがかっこいい。もう一つ爆笑してしまったのは、うるとらブギーズの2本目です。サッカー中継の実況と解説の2人の会話が盛り上がりすぎて大事なゴールシーンを何度も見逃してしまうという内容。本当に2人が楽しそうにキャッキャとやっているような、演技が飛び抜けていて、実際の中継でそれが起きているように思わせられて本当に感心してしまった。そして、少しギャグマンガ日和の世界観に似たものを感じました。

増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

全コントの中で一番刺さったセリフは、ゾフィーの、腹話術師の不倫会見のネタで詰め寄る記者に対して人形に言わせた

座れ座れ座れ。興奮して立っちゃう奴は馬鹿だ。

です。風刺のようで、正しいことを言って笑わせるのすごくないか。ところであの腹話術の人形は、さまぁ〜ずも過去に映像コントで似たようなものを使っていて、登場してすぐそれを思い出してしまった。大竹さんがコメントであの人形について「いい顔してるよね」みたいなことを言ったときも実感がこもっていた。

これ、元気ないときについつい見てしまう。「そうだよね!」が、ただの賛同や共感の言葉なのに笑っちゃうのがとても好き。

審査についてはかなり賛否(否のほうが多いように見えるけどいつだってなんだって否の声の方が大きい)があるようで、特にさまぁ〜ずを審査員から外してほしいというツイートをいくつもみた。おれは根っからのさまぁ〜ずファンなので、特に大竹さんが映るだけで少しにやけてしまってもうフラットには見られないのだけど、たしかに2人、特に大竹さんのコメントは前からひどい。2人とも決して感覚で審査をしているわけでなく、コント師として高度な目で見ているはずなのにコメントが悪いからそう感じられるのもよくわかる。バナナマン設楽さんを見習って来年以降改善してほしい。それでも直感的に面白いと思ったり、笑いの量が多いコントが評価されるのは仕方ないから審査員に偏りがないほうが文句は言われないでしょう。ここは思い切って審査員を5人から10人に増やしてほしいものです。

松本人志

大竹一樹

三村マサカズ

・設楽統

日村勇紀

・オークラ(放送作家)

飯塚悟志(東京03)

内村光良(ウッチャンナンチャン)

宮藤官九郎(脚本家、放送作家)

小林賢太郎(ラーメンズ)

あたりでやればバランス良くなるんじゃないですかね。仮にこのメンツで歌ネタ&下ネタに爆笑して高得点つけたらもう文句ないでしょう。ずっと続いてほしい大会だし大きなイチモツもほしいです。

すっかり外は秋の空気で、日も短く夕方になると真っ暗になってしまう。秋は好きだけど、さみしさはすこし苦手だなどと話す秋が好き。ファミレスに入っている間に暗くなって、雨まで降り出して外に出られずに窓の外を眺めた日のこときっと忘れないな。

去年の秋は邦楽の良作のリリースラッシュがあって、そのプレイリストを作ってリピートしたんだった。

秋のオリーブ

秋のオリーブ

平成

平成

  • 折坂悠太
  • J-Pop
  • ¥250

砂漠に咲く花

砂漠に咲く花

うたっても

うたっても

金木犀の夜

金木犀の夜

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥250

特にきのこ帝国の『タイム・ラプス』は繰り返し聴いたな。活動休止は残念だけど、「4人のまま時間を止めたい」というボーカル佐藤千亜妃の休止コメントが素敵すぎたからこのバンドがもっと好きになった。北海道に金木犀は育たないけど、金木犀の夜を聴きながら秋を感じたいと思います。

年明け、シゲから”脱退しようと思う”という話を聞いたとき、あまりに清々しい顔をしていて「やりたいことを応援するよ」ということしか言えませんでした。

そして4人で話し合った結果、”シゲの代わりになるベーシストなんて居ない”、という結論に至りました。なので、この4人のまま、きのこ帝国の時間を止めたいと思います。
誠に勝手な決断ですが、きのこ帝国は無期限活動休止します。
この選択が正しかったと、いつか笑えるように、ファンのみんなをガッカリさせないように、それぞれが真摯にひたむきに未来と向き合っていきます。全力で進んでいきます。
とはいえ、きのこ帝国の音楽はなくならないので、これからも聴きたくなったら、いつでも、どこでも、再生してください。
出会ってくれたみんなに、心から感謝です。
ありがとう。本当にありがとう。みんなのことを愛してます。
そして、未来のどこかでまた会えますように!

しばしの別れの金木犀とは逆に2018年カムバックしたのは2008年に活動休止したバンド、キンモクセイで、来月には地元で活動再開後初となるワンマン「キンモクセイ活動再開記念ライブ ちゃんとしたワンマン2019」をやるそうで、密かに応援しています。10年待ち続けたファンにたくさん恩返ししてほしいし、贅沢を言うなら「またこれから始まるんだね」って具合に完全新曲のアルバムを聴きたい。

また『二人のアカボシ』でデビューしても売れるんじゃないかってくらいの美曲だ。何度も聴いて新曲を待つことにします。

いつだったか忘れたけど、半日くらいネットカフェに篭ってマンガを読み漁った日があって、読んでいた作品のいくつかが完結していた。週刊少年サンデーで連載していた『湯神くんには友達がいない』は、いつも笑わせられたり勇気づけられた。あれほど終始ブレないテーマで連載を続けた作者と少年サンデーには勝手に賛辞を送りたい。特に最終回の一つ前の話は、これまでの湯神くんの、合理かつ偏屈な美学が凝縮されていて、素晴らしすぎた。これでもかというほど、ツボをピンポイントで押さえてくる。学園モノなのに少しも押し付けがましくなく、青春まで感じさせてくれる作品を他に見たことがありませんよ。ラブコメ要素もありながら何も起こらないのがまた良いし、脇を固めるキャラクターたちも皆人間味があって愛おしい。大人になった今でもここまで感銘を受けるのだから、自分が中高生の頃にこの作品に出会っていたらどうだったのか。人間関係や孤独に悩む人の聖書になること請け合いなので、騙されたと思って一巻だけでも読んでほしい。毎週のように書店に平積みされるくだらない自己啓発本なんかよりずっと心がスッとするからね。

作中で気に入ったセリフ

  • 悪口は、相手が元気だから言えるんだ!
  • 環境が嫌なら自分で変えて行くしかない。自分の身を守れるのは自分だけなんだぞ!
  • 俺はウジウジと過去の人間関係に脳の容量を使うつもりはない!何故なら俺は、友達とかそういうものを必要としない人間だからだ!
  • 俺の味方は俺だ。俺には俺がついているから大丈夫!

湯神くんには友達がいない (15) (少年サンデーコミックス)

湯神くんには友達がいない(1) (少年サンデーコミックス)

この内容は絶対ジャンプでは扱わないし、さすがおれが少年時代に愛した週刊少年サンデーです。良いところ突いてくるよな。あだち充に代表するような美しいラブコメ作品が多いところも大好きです。業界としても、強豪の他誌に比べても厳しい世界と思うけど、これからもブレないで名作を生み出してほしい。「サンデー」の誌名の由来が、「読むとまるで日曜日のような楽しい気分に浸れるように」というのも最高だ。今日は日曜日だけど、明日は祝日。それも最高。

祝日

祝日

  • カネコアヤノ
  • J-Pop
  • ¥250