明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2020.4.22

まるで戦時中みたいだな。日々目まぐるしく変わっていく日常、世の中だけど、これからたった数ヶ月先、「またね」と別れた人と会えなくなるなんてことが現実味を帯びてきた。当たり前だっだことが憧れに変わってきている。ワニが死ぬどころじゃないぞ。北海道に住んでいるのだけど、おれが日々積極的に目に触れようとしている情報だったり、Twitterの世界とはあまりにも温度差があってしんどい。北海道も日本だぞ。特に職場の人の呑気さには驚く。未だに「マスクじゃ予防できないんでしょ〜」などと言っている人もいるし、3月末に送別会を催していた部署もあると聞く。狭い会議室に当たり前のように中年男性たちが集まってダラダラと話し、時折大声で笑っている。正気かと思うが、これが現実です。パンデミックを起こしてる国や専門家や前線で命を削っている人たちがいくら警鐘を鳴らしてくれても目先のことしか考えられないんだな。大袈裟でもやりすぎてもいいから、早く何とかしてほしい。自分を形成してくれた文化と、それを作ってきた人たちのことを蔑ろになんて絶対にできない。無事収束したら選挙は楽しみにしておけバカ。

ただでさえしんどい毎日だけど、救いもある。毎朝家から最寄りは空気階段の踊り場を聴く。地下鉄に乗ったら音楽に切り替えて、『A子さんの恋人』を丁寧に読んでいる。これが超面白い。超。

A子さんの恋人 3巻 (HARTA COMIX)

A子さんの恋人 3巻 (HARTA COMIX)

 

表面上では一見何もかもきちんと進まない人間関係でも、その内面では実は目まぐるしく感情が動いている。それは日々の忙しさやいい加減さで手付かずになるけれど、ふとした時に面倒に直面して、でも結局答えもだせずにグルグル回り続ける。ぼーっとしているけどスリリングで、可笑しくて笑っちゃうし、胸が張り裂けそうにもなる。みんな幸せになれ!ドラマ化を希望します。

帰り道も同じで、職場から駅まではラジオ、地下鉄では音楽と漫画、駅から自宅まではまたラジオ。A子さんの恋人で少し感傷的になったところで、空気階段の子どもみたいな言い合いを聴いて中和させているのです。ところで、北海道が誇る最強製菓メーカーの六花亭の好きなお菓子ランキング第2位はチョコマロンです。おれのなかの。六花亭のお菓子は普段食べるわけではないけど、お盆のお墓参りに備えた物をもらって帰ってきたり、なんだかんだで年に数回食べる機会はある。マルセイバターサンド(心の第1位)はあまりに有名だけど、チョコマロンはお供えで買ったりする詰め合わせに入っていて、それ単体ではあまり買おうとしないから、お菓子界のスーパーモブなのです。何とも媚びない見た目硬派な感じもソリッドで良い。

六花亭 チョコマロン 6個入
 

明るい気分でもそうでもなくとも、なんてたって春だ。まだ寒い札幌の夕方をポケットに手を突っ込みながらほろ酔いで歩いた。そしてお腹を壊していた。入ったことのないコンビニでトイレを借りて出てくると、恋人が見たこともないソフトキャンディを手に取っていた。家から遠くないコンビニだけど、歩いたことのない道を歩くのは楽しい。分けてもらったソフトキャンディは安っぽいエナジードリンクみたいな黄色い味がした。

なんてったって春

なんてったって春

連休に向けてゲーム機を調達した。3DSを買って、ドラクエモンスターズ2をやるんだ。小学生の頃、公園でケーブルをつないで友達とバトルした、イルとルカのやつだ。何か有意義に時間使わなきゃと思う反面、ちゃんと頭を空っぽにする時間もなければいけないとも思う。なんて考えてたらまた今日もコーヒーフィルターを買うのを忘れてしまった。

 

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藤岡拓太郎『それぞれの夜』