明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2022.1.14-2.22 街の上で思い出しただけ

2022.1.14

記録的な大雪が続いた。除雪と通勤が大変なのだけど、豪雪の町で生まれ育ったからかほんの少しこの景色にホッとしていることに気づく。ほんの少し。仕事帰りに冷凍ほうれん草を買って、ソテーにしようと思っていたのに食べるのをすっかり忘れてしまった。家を建てているころは打合せのたびに妻ちゃんとサイゼリヤに行ってほうれん草のソテーを食べていた。最後の打合せ以来サイゼリヤには行っていなくてさみしい。もし、家の近くにサイゼリヤができたらどんな人生になっちゃうんだろう。

 

2022.1.19

出勤すると昨日の打合せメンバーの中に濃厚接触者になった人が複数人いるとのことで、彼らのPCR検査結果が出るまで在宅勤務に切り替えになった。現時点では濃厚接触者の濃厚接触者みたいな立ち位置だけど、これまでで一番身近に迫ってきている感じがして心地は悪い。帰宅したはいいものの、急な在宅勤務はできることも限られているので困ってしまった。現時点で外に出るのも良くないと思い、夕食はwoltで近所のインドカレー屋さんのラムカレーを注文した。ご飯気分じゃなかったけどナンが高かったので、冷凍してあったコストコディナーロールで誤魔化す。今日誕生日だった。しんどい。

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2022.1.24

昨夜Netflixで観た『街の上で』のワンシーンを気に入りすぎて、ダウンロードしてそのシーンばかり通勤中に観ていた。元気がなくなった時にちゃんとこれがあると思い出せるようにしておきたい。

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青とイハが居酒屋からイハの家(ホーム)に行って、恋バナを始めるところ。ちょっとこれを超えるシークエンスにしばらく出会えそうにないです。全てが愛おしく完璧。広げた時の大きさをみたい布の「実際もお茶の上なので」と、イハの雑な布の置き方。二人の、ちょっとしたことで恋愛関係になってしまいそうな緊張感と中田青渚の関西弁の心地よさ。つられて少しだけ関西弁になる青。飲むお茶が冷たいこと。敬語とタメ口の混ざり合い。帰るか泊まるかのやりとりの絶妙な色気。「長い」とか「短い」はどうでもいいという話について。何度も言うけど全てが完璧。普通の映画では入らないような本質とは関係のない会話や間が、この作品を確固たるものとして確立させている。

帰り道には別のシーンも観た。そうしているともう一度全編を通して観たくなって、も一度頭から観た。冒頭で青が緊張の面持ちで読書をしているシーンから始まる。なんでスマホで撮影してまで練習したのにあれで良いと思ったんだよ青よ。だけど、終盤に「存在の否定じゃん」と言われていたちゃんと部分が拾い上げられている。全体的に「ここに存在していたこと」が大切にされている。カットされたシーンだって、変わっていく街だって、古書ビビビの店長だって。

いや、出てましたよ

変わってもなくなってもあったってことは事実だから

もしもしこちら古書ビビビ カワナベです。ただいま留守にしております…

下北沢という街は、その「文化的」なものに包まれた狭い世界で生きていることを許してくれる反面、沼みたいに恐ろしい一面がある街だと改めて思った。そんな沼で生きてきた人が、実際に苦しんできたのを見ているのでそれは少し苦しい。そんなことを思うくらい、この作品はこの街で生きる若者をリアルに表現されているし、そういうドキュメントにも見えてくる。だけども、下北沢をサブカルの街としての言及というか押し付けが一切なく、『花束みたいな恋をした』的な固有名詞の登場はほとんど排除されいるのもひとつの特徴です。ああ、本当に良い作品に出会ったな。映画館で観たかった。コロナさえなければもっと気軽に行ってただろうな。そう考えるとこの作品の中の、フラッといけるライブハウスとか、打ち上げとか、そういう当たり前だったことが今はファンタジーの世界みたいに映ってしまうな。

 

2022.1.29

夏に引っ越してきて以来はじめて大きな窓のカーテンを全開にして、自然光をたくさん浴びた。日当たりが悪いし、外から家の中が見えるのをきらってバーチカルブラインドの角度調整だけでこれまでやってきたから。太陽光は最高だ。妻ちゃんが「念のためコロナ自宅待機」をしているので、この週末の家事はすべておれが請け負う。いつも口うるさく妻ちゃんにあれやれこれやれと指示をしてしまうけど、最初から妻ちゃんはやらないと決まっていると心は楽だ。実際のところ、普段はおれが「あれやれこれやれ」役をやらせてもらっていて、妻ちゃんが怠けて叱られる役をやってくれている という感もある。どちらも同じ役だと成り立たないので、お互いにプンスカしながらもバランス良くやれているのだと思っている。とにかく、今日は天気が良くて最高だ。

 

 

2022.1.30

起きたらあまりにも顔がむくんでいたので、シャワーで念入りにヘッドスパのマシーンを使いながら口の中で舌を回すしんどいトレーニングをして、上がったあとは咬筋のマッサージをした。それだけでだいぶむくみがとれた。世の中の色んなこともこのくらいの努力で成果がでることばかりならいいのに。

 

2022.1.31

やっぱり明け方の散歩は楽しい。たまに巡り会えるあまりに空が綺麗な日。

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時差出勤を再開した。普段より30分早い出勤。たったそれだけの差なのに景色が違って見える。落ち着いてコーヒーを飲みながら始められる。嬉しい。仕事はまずまずの進みだった。明日には嫌な打合せが控えているので憂鬱だ。人に厳しいことを言ったり、相手の意に反する決定をしなければいけないのはしんどい。仕事でやってるんだからそんなに嫌わないでほしい。帰って昨日の豆乳キムチ鍋の残りのスープでラーメンを作った。ただ麺を茹でてかけるだけだけど。チーズも入れた。妻ちゃんに贅沢ルマンドをもらった。たしかに贅沢なルマンドだ。今日一番の贅沢。

 

2022.2.2

寝不足で1時間寝坊したけどなんとか遅刻せずに間に合った。朝エナジードリンクを飲んで、昼と夜にコーヒー一杯ずつ。それでも眠気はなくならないまま残業をした。さすがに効率悪すぎると判断して20:30ころ退勤。結構しんどい一日だ。何か自分が今一番欲してるものを与えてやろうと考えて、帰り道のコンビニにとろーりクリームonプリンを買った。これ、10代の頃からあった気がするけど、いつ発売されたものなんだろうと調べるも、すぐに分からず断念した。30代には少し堪える食べ応えだ。なるべく早寝して明日に備える。

 

2022.2.12

確定申告のためにマイナンバーカードを作ってやろうということになり、出張申請コーナーがある西友まで20分ちょっと歩いて行った。多分初めて入る西友にはしゃいで歩き回った。お世辞にもおいしいとは思えないような店の集まりのフードコート。そのなかにある古いタイプのミスドは今でもスクラッチカードを集めたらオサムグッズが貰えそうな雰囲気を醸している。大量のガチャガチャコーナー。アンパンマンの乗り物など、ノスタルジックで賑やかなゲームコーナー。こういう地元民のためにスーパーが賑わっているとなんとも豊かな気持ちになる。お昼ご飯に久しぶりのサイゼリヤに行った。去年の今頃は家を建てる打合せをしていた頃に毎週のように行っていたのに、もう行く機会がなくなってしまったので非常に恋しくなっていたのです。パルマ風スパゲティに粉チーズと唐辛子フレークを狂ったようにかけるのが大好きだ。いつか子どもができたなら、サイゼリヤはご馳走が出る天国だと刷り込ませよう。

 

2022.2.19

去年いただいた、老舗ホテルのビュッフェとスパのチケットの有効期限が迫ってきたので妻ちゃんと行ってきた。ビュッフェは一つ一つの料理のクォリティが高くて美味しかったけど、これだ!というものがなかったかもしれない。たくさんの品数があるのはどのビュッフェも同じなので、その中で光った一品があるほうが印象に残る気がする。あとどうしても大して美味しくないことはわかってるのにカレーに手を出してしまう。食べ終えたあと、お手洗いから戻る妻ちゃんを待つためにロビーの椅子にかけてたら、初老の男性が恐る恐るこちらの様子をうかがいながら「サ、サトウさん、では、ないですか…?」と聞いてきた。残念ながらおれはサトウさんではないので首を横に振ったけど、その男性はしばらく辺りをキョロキョロウロウロしていた。その手には大きめのリュックを抱えて。もうこれは身代金の受渡ししか考えられないシチュエーションだと思い、一気に名探偵モードに切り替わった。ロビーに現れる男性全員が怪しく見える。誰がサトウだ。いかにも怪しそうな風貌の男がいて(勝手に)緊張感が走ったが、その後奥さんらしき人と合流していなくなった。妻ちゃんが戻ってきたので私の名探偵モードはあえなく終了。男性はまだ少し怯えた顔でリュックを抱えたままで事件は迷宮入りしてしまった。

やや離れた場所のスパに向かう途中、おじさん道を聞かれた。その場所の大体の場所はわかっていたけど自信がなかったのでスマホで調べて説明したけど、うまく伝えられた気がせず、別れた後も少し気になってしまった。スパについたあとも、シャンプー中も、サウナでも思い出してしまって気疲れした。そんなに気になるならもっと丁寧に案内してあげればよかったのに。生きているとこんなことばっかりだ。キリがないのでそんなもんかと思ってもう考えないと誓った。スパのラウンジは暑くて乾燥していた。そういえば自宅の乾燥がひどいので強力な加湿器を買わなければ。

このまま帰るのも惜しいのでちょっと遊んで帰ることに。目当てのおしゃれ酒場は営業してなかったので、何回目かの沖縄料理屋さんへ。ジーマーミ豆腐の揚げ出しが絶品でびっくりした。幸せだ。それでもって、急いで映画館へ。楽しみにしていた『ちょっと思い出しただけ』を観た。

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良い映画だと思ったけど、なぜかあまり心に刺さってこなかったです。きっともう、花束みたいな恋をちょっと思い出して感傷的になったり、あの恋を思い出してきっと泣いてしまうとか、そういうのは前よりもないのかなと思いました。

 

2022.2.22

通勤中に池辺葵『ブランチライン』を読み始めた。

池辺葵作品はネットカフェで読んで一巻で挫折した(理由は忘れた)『プリンセスメゾン』以来です。非常に良いので通勤時間のクオリティが急上昇しております。ラジオか漫画、それがあれば通勤も悪くはない。良くもないけどね。