絶望もしばらく抱いてやればふと弱みを見せるその時に刺せ
木下龍也「あなたのための短歌集」より
刺せるタイミングを探していきたいと思うけど、まあそんなに気安く絶望しちゃいけないとも思っております。先月行った久しぶりの旅行がすごく楽しかった。それは今でも心から言える。妻が妙心寺で「昔はこういうお寺とかに興味をもてなかったけど、凄く良い。親に精神的に豊かに暮らせてよかったねと言われたけどそういうことを感じてるのかな」と言い、「ちょっと泣きそう」と続けたこと、嬉しくてきっとずっと忘れないです。行きたかった龍安寺も快晴で、この日はずっと楽しかったな。その日の気分で予定変更してたくさん歩いて、もっと京都らしい体験したいねとなり、和菓子作り(結局やめたけど)や写経をやりたいとなったことなど、旅行中のどの時よりもぐっときたかもしれないな。
旅行中一日は2人別行動をして、おれは本屋巡りをしました。
恵文社でかなりのんびり過ごして帰ろうとしたら、急に激しい雨に見舞われて店先の屋根の下のベンチに避難した。ほどなくして通行中のおばあちゃんが急いで隣に座ってきて、しばらく2人で雨が止むのを待った。知らない町の本屋の店先で、ただぼんやり知らないおばあちゃんと雨上がりを待つなんて、なんか映画みたいで良いななどと少しうっとりした。
雨が少し弱まったタイミングで走って駅に向かった。その後、知らない町だから距離感がわからず、地図を見て「これくらいなら歩けるか」を幾度となく繰り返しているうちにかなりの距離を歩いたと思う。途中で寄った和菓子屋さんで出してくれた試食のフルーツ羊羹と冷たいお茶に救われた。