明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2019年初夏

映画を観て泣きたい。映画じゃなくても良い。泣きたい。ちょっと目頭を熱くするだけじゃなくて、みっともないくらい号泣したい。最後の号泣は確か、イチロー引退試合だから思っていたより前のことじゃないことに驚く。その時は確か、一人でテレビに映るイチローを見ながら嗚咽を漏らしていたところ、付き合い始めたばかりの恋人から「一緒に行く四国のガイドブックを買ったから泣き止め」という旨のLINEがきたため、とても嬉しくて泣き止んでしまったんだ。もうずっと昔のことみたいだ。

耳鼻科にきたら、待合室に置いている『俺物語!!』の単行本を小学生3年くらいの女の子とそのお母さんが2人で真剣に読んでいた。面白いもんな、俺物語。

週末はお天気であってほしい。天気が良ければわかりやすく元気が出る。いつからこんなに青い空が好きになったんだろう。暖かいのも嬉しい。Tシャツを着られるのも身軽で嬉しい。この前薄い青のレンズのサングラスを買った。いけすかない感じが良いと思った。

やっぱり本棚が好きだ。前までは本が好きだったのに、最近は断然本棚が好き。本を探したりしに本屋や図書館に行っても、本棚に囲まれている喜びだけで満たされてしまい、本を少しもめくることなく帰ることもしばしばある。いつか、本好きの人の家の本棚を見て回りたい、そして写真におさめて、本棚写真集を作ってその人たちの本棚に置いてもらいたい。本屋の本棚は勝手に撮影できないのが残念。

色々な写真集だけを一日中眺める日を作りたい。世界の絶景、宇宙、動物、ファッションスナップ、建築物、食べ物、なんでもいい。知らない世界の美しいものをずっと眺めていたい。でも今はきっとそんなことやらない。よほど暇がなければね。

約2年ぶりに東京にきた。用事がなければ来ない東京。初日の目当ては行きたかった本屋に行くこと。六本木の入場料1,500円の本屋文喫へ。満席で整理券を渡されたけど15分程度でバッジを渡され、有料エリアへ進む。みんなでバッジをつけて過ごすのは、なにかのオーディションみたいで少し変な感覚だ。お客さんによってバッジの付け方に違いが出るのも少し面白い。数字の向きを気にしない人とか、あまりにも低い位置につける人とか。思ったよりも本棚が少ないかわりに、びっしりと本が並べられていた。ざっくりとしたジャンル分けが施された本棚には、ワクワクするタイトルの本がたくさん詰まっていた。店内の本は購入はもちろん、自由に読むことができる。コンクリート調の内装もとても好みなのでこれは一日中いられるやつだ。朝から恋人ときてソファやシート席にダラダラ過ごすのも楽しそう。あとは、調べ物とか、知りたいことのテーマがあればじっくり読み漁るのも良さそう。おれは特にこれといってこの日のテーマはなかったので、書棚を何周もして気になった本をとった。店内には返却箱があって、直前まで他のお客さんが読んでいた本がそこに集まっていて、自分では進んで手に取らない本との出会いが嬉しい。途中でテレビカメラが入っていたことに気づき、少し髪型を気にする自意識とコーヒーを持って空いていた数少ない席へ。書棚を歩いて本と出会うこういう贅沢な時間と機会をもっと増やしたい。これぞ本屋の楽しみという感じに大興奮して、もってきた本の読み始めに30分もかけてしまった。長テーブルのカウンターが少し狭くて、椅子から降りたり座ったりするときにどうしても隣のお客さんとぶつかってしまうのは少し参った。しかも隣の顔の小さなお姉さんはノースリーブだったから、生腕に当たってしまう恐怖が何度も頭をよぎったけど、寧ろ向こうが謝ってきてくれて安心した。結局お姉さんもコーヒーを頼みに立つ時に何回も申し訳なさそうにしてたから、お互いが声になるかならないかくらいの息の「すみません」の言い合いになった。そのお客さんが人気女子アナと気づいた後には、その感じの良さでもうファンになっていました。もともとかわいくて頭が良いと思っていて好きだけど、これからも応援します。夜になってお客さんも空いてきたので、カウンターから少し高い位置にある電源付きの座り心地の良い椅子の席へ移動。もうどこへも帰りたくないほど気に入ってしまい、東京の一食分の夕食の楽しみをナシにしてでも、ここにいることを決めた。どうしても札幌にこんな場所があったらいいのにと思ってしまう。今言うと完全に後付けになるけど、一昨年くらいから、本を売らずに本を選んで読む時間を売る店を札幌でやりたいと思っていた。とことん快適に過ごせる環境でこぢんまりとした規模で。でも自分でやるのはちょっと大変なので、誰かやってほしい。通いつめます。なんて思ってたら昼からずっと取材に来ていたテレビ局のスタッフが、音声のとり方で喧嘩し出して穏やかじゃない空気に。よしてほしい。前から読みたかった大橋裕之の自伝漫画『遠浅の部屋』が面白かった。何にもなれない自分と照らし合わせて読んでしまった。東村アキコの『かくかくしかじか』もそうだけど、好きな漫画家の自伝漫画は面白い。結婚式を終えた恋人と「六本木で会おうよ 今すぐおいでよ」をして、小伝馬町アパホテルに向かった。小伝馬町、今まで全く意識しなかった町だったから少し散歩でもしたいところだったけど疲れていたので諦めた。

 

文喫で読んだ本

殺したい蕎麦屋 (新潮文庫)

何度でも行きたい 世界のトイレ

伝わるちから (小学館文庫)

ビットとデシベル (現代歌人シリーズ)

アーのようなカー (新鋭短歌シリーズ46)

ナイトフライト (現代歌人シリーズ19)

どうにかなりそう (CUE COMICS)

NHK短歌 新版 作歌のヒント

遠浅の部屋

夏着物の文様とその見方: 大正・昭和の涼をよぶ着物の素材、織り組織、文様の意味がわかる

帰る場所 (ビームコミックス)

文喫の翌日から2日かけて恋人とディズニーリゾートに行きました。まあまあな大人になってきたから、無理せずに遊びました。帰りがけにショーを観てたら恋人が言った「なんか無条件にミッキーを可愛いと思わないといけないのもういいや」が私たちのディズニー遊びの閉会宣言となりました。お揃いで着ていたアロハシャツを脱いで、リムジンバスに乗って空港へ向かった。文喫で手に取った、伊波真人さんの歌集『ナイトフライト』が気に入ったのでKindleでダウンロードしてリアルナイトフライトしながら楽しもうと思っていたのに、濃霧で散々離陸前に待機させられてそんな気分になれなかったのでしっかりと眠った。到着して飛行機から降りたのは0時近く。鉄道もとっくに終電を過ぎて眠っているため、仕方なくタクシーで帰宅。往復の飛行機代よりも高い運賃を支払いました。それでも恋人とやることなすことなんだって楽しく感じているのは浮かれでしょうか。

水曜日のダウンタウンのおぼんこぼん仲直り企画で泣いて笑った。前回のドッキリ企画で更にこじれてしまった8年間会話のない2人の関係を仲直りさせる第2弾企画。前回、こぼんに解散を切り出したおぼんだったが、こぼんは「辞めましょう」とキレて、ドッキリとわかってからも激怒することとなった。こぼんは今回もドッキリ企画に呆れ、ナイツにまじで怒って立ち去った。きちんと傘を持って。対するおぼんは「一生懸命やってきたのにな」「ありがとうな」と号泣する双方対照的な結果となった。おぼんの涙に釣られて泣いてしまったが(おぼんが謝れよとも思ったけど)、ネタバラシ中のナイツ塙がずっと深刻な顔をして「ドッキリ大成功!!」のプラカードを掲げている姿に笑って涙も乾いてしまった。水曜日のダウンタウンはたまに愛と笑いを入り混ぜてくるから、感情が忙しい。

札幌はあじさいがきれい。

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