明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2023.4.22と5.2

4.22

忙しいともっぱら噂の部署への異動内示が出て、「色々これからという時に…」とショックを受けていたけど前向きに頑張っていこうと思えた4月3週目。前の職場の最終日は、情緒もへったくれもなくバタバタとお別れして去り、妻とお食事している最中に寒気を感じて家で検温すると39.4℃の高熱を記録した4月14日。まったく下がる気配のない高熱と、新しい仕事への不安からか毎晩みる悪夢。そもそも初日に出勤できるかということ自体も怪しくなってきた4月16日。物心ついてから初めてみた40.0℃という体温で、「こりゃもうダメ」だと悟った。発熱5日目にして、PCR検査陰性の判定と熱が下がったことが確認できたので、昼から新職場に合流した。一緒に異動してくる人が多い新チームのような職場だったけど、みんな既に忙しそうにしているし、同じスタートと思えない出遅れ感に発汗した。きっと後になればそんなこともあったなと笑えてくるはず。

そんなこんなで、異動後はじめての週末を迎えた。昔たまに行っていた大好きなクレープリーのランチコースを食べに行った。そういえば、異動前まで通っていたコーヒーショップの馴染みの焙煎士さんがもともとそのクレープリーの店員さんだったと知ったときは大きな声を出して驚いたな。

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変わらずガレットもクレープもコーヒーも美味しくて幸福だった。焙煎士さん曰く、フランスのブルターニュ地方では、初めてのクレープリーに入るとコースではなくまずはガレットを食べて、美味しかったらクレープも追加で注文するというのが現地の粋な食べ方だということとか、店員さんがボーダーカットソーを着ることとか色々話してくれたことを思い出した。

店を出て、我慢していたおしっこのためにコンビニに走った。トイレの間に妻ちゃんが、じゃらんのGWドライブ特集号を買っていて、なんだか嬉しかった。ほろ酔いで街中のシネコンに行って『シン・仮面ライダー』を観た。シンシリーズ前作のウルトラマンよりは楽しんで観られた。何よりライダーのデザインがカッコいいのと、初代リスペクトの演出に心奪われました。ただ、一本の映画としてみるとなかなかしんどい内容で、何度か眠気に襲われたな。

その後はキーボードやマウス、文具など、新しい職場で使う備品を自分で調達した。妻も釣られて同じマウスを買っていて面白かった。それにしてもあらためてデバイスコーナーを見ると色んな商品があることに驚かされる。特にマウスの使い心地の良さに感動した。

しっかり時間を使って買い物をしたのでとてもお腹が空いて、結婚前に住んでいた部屋の最寄り駅にある餃子屋さんに行くことにした。地下鉄の出口の番号を忘れていて、適当に外に出たらちゃんと間違っていた。ほんの2年前にはまだ当たり前に住んでいた場所なのに、随分懐かしく感じた。疲れていたけど2人とも興奮気味に辺りをキョロキョロして、あそこは変わってない、あの店はどこだなんて話しながら予約した餃子屋さんに入った。そのやりとりが楽しかったし嬉しかった。思えばたった2年で色んなことがあった。本当に2年か?と疑ってしまうけど、間違いではない。思えば(というか後になって分かったことも多いが)結婚前からおれはたくさん間違っていたし、すれ違っていた。妻を随分傷つけてしまったし、寂しい思いをさせた。だから今日こうして楽しく過ごすことができていることを当たり前とは思わず、特別なことのように感じた。

久々にお酒も飲んで、歩き回って疲れたけど、今日は良い日だった。これからもこうして穏やかに笑って過ごしていたい。

5.2

新職場で何がなんだか分からないまま、大型連休に突入した。職場から最低限一日は年休を取得せよとのお達しがあったので、休める時には休もうと今日休みをとった。

朝、仕事に行く妻と一緒に起きて、たまりにたまった洗濯をした。『空気階段の踊り場』の最新回を聴きながら干したので、苦行ではなかった。最近の踊り場はフリートークの面白さが復活してきている。特に、もぐらが離婚して、皮肉にも、より人間らしさを感じるようになったというところが大きい気がする。カップルはもうサインを求めてくるなという無茶苦茶なお願いに笑った。

妻を見送って、ゴミを出し、庭の水やりをした。それだけでもう素敵な休日という感じがして心が豊かになった気がした。せっかく平日休みなので郵便局などの用事を済ませて、自転車で久しぶりにゲオに行った。家ではもう配信サービスで映画を観ているので、レンタルショップに足を運ぶことはなかなかないのだけど、たまにいくと「これももうレンタルになってる!」と興奮してしまう。そんなレンタルショップも日本全国次々と閉店が相次いでいるようで、TSUTAYAのみならずゲオまでもその波に抗えないようで寂しい限りだ。こういうことをいうと「普段店に行かない閉店の報せにだけ反応して残念がるな!」とツッコミが入ることがよくある(インターネット上で)が、正論はそうかもしれないけど仕方ないじゃないかとも思う。理屈にかなった行動ばかりできないし、なくなってしまうことの悲しみは本物なんだから。

結局この日に借りた映画5本はそのほとんどを観ることなく大型連休を終え、憂鬱な気持ちで出勤する前に返却ポストへガタンと入れた。