明け方

できるだけ早く起きて朝やけをみる

2018.12.10

仕事を早々に片付けて風のように職場を後にした。今夜はまだ同居中の前妻に「家で作業したいから早く帰ってきてほしくない」と、混じりっけない藤川球児の火の玉ストレート級な要望を受けたからそれに従って映画を観ることにした。色んな人からやたらすすめられる『ボヘミアン・ラプソディー』みんな大好きボ・ラプ。18:30からの上映に間に合わせるため、シネコンからすぐのロッテリアにて夕食を摂る。ロッテリアなんて何年ぶりだろうか。幼少期、地元の西友の横っちょにくっついてて、結構頻繁に行ってたから、おれにとってハンバーガーといえばロッテリアだ。ハニーマスタードグリルチキンバーガーみたいなやつと骨なしチキンを注文。非常にジャンクで良い。そしてハンバーガーがとても美味しい。びっくりした。高校生になってからは学校近くのモスばかり行くようになって、大人になってからはハンバーガーすら食べなくなってからのロッテリア。愛おしい。店内が騒ぐ子供と女子高生と汚い男しかいなかったのもまた、らしくて良し。でも上映まであまり時間がないから、骨なしチキンは食べずに店を出て、シネコンでビールを買ってつまみにして食べた。ビールはLサイズ(800円)を頼んだら、なかなかの量が注がれて出てきた。嬉しい。仕事帰りに並々のビール飲んで映画の開場を待つなんて、贅沢きわまりない。大人になって良かった。大人には理不尽なクラスメイトも体育も学校行事もない。そしてこのシネコンのビールはいつも美味しい。サーバーの手入れがしっかりしているし、泡が美しい。飲みながら映画の開場を待っていると、トイレに行っておいたほうが良いことに気づくも、1人だからビールを預ける人もいない。仕方なくトイレに持ち込むも、用を足し終えて出てきたときにビールがおしっこ入りの検尿カップに思えた。そういえばこの前の人間ドックの結果はいつ届くのだろう。今年の夏仕事中に恥ずかしいぶっ倒れ方をしたから少し体が心配だ。そんなことを考えながらなんとなく他のお客さんを見てると、お父さんと高校生くらいの娘の2人組が5組くらいいることに気づいた。きっとお父さんが観たくて娘を誘ったんだろう。どことなくお父さんが緊張しているような雰囲気が伝わってきてとても良かった。お父さんと映画観に行く娘もまた良いな。仲良くやれよ。映画は期待をやや下回った。クイーンについては、キムタクがアイスホッケーやるドラマの主題歌と挿入歌で、当時キムタクがラジオで浅いクイーンの魅力を喋っていたなあ程度の思い入れしかなかった。まあその時期に何枚かアルバムを借りて聴いたこともあるから、劇中の曲で知らない曲はほとんどなく、引き込まれるシーンもたくさんあった。IMAXで観たから余計感じたかもしれないけど、サウンドメイクも良かった。ストーリーからは、特に性的少数者の苦しみや悲しみは伝わった。劇中ではそこまで描かれなかったけど、当時はもっと差別がひどかったのだろう。ゲイを告白して奥さんと別れたあと、最期まで奥さんと友達であり続けたことを不覚にも自分と重ねてうるっとしてしまった。ただ、あまりにも絶賛されていたもんだから、期待値が高くて。映画が終わってスクリーンを後にするお客さんは、口々に「良かった」「また観たい」と言ってたし、みんなポップコーンの減りが悪かったような気がする。夢中で観たんだね。父娘は楽しめたかな。かくいうおれはLサイズのビールでお腹ちゃぷちゃぷだし後半の尿意がすごかった。そんなこんなでApple Musicでまんまと「はじめてのクイーン」プレイリストを聴いて帰った。クイーン最高。

家に帰ると荷造りされた段ボールが増えていた。視覚から思い知らされる別れの近づきに少々めまいがする。それにしても梱包の仕方が荒い。こんなんでいいのかよおい。